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発熱や感染症

インフルエンザの検査、鼻の入口で大丈夫? 鼻腔採取と陰性結果の見方

「インフルエンザの検査なのに、綿棒が鼻の入口あたりまでしか入りませんでした。きちんと検査できていますか?」というご質問をいただきました。以前に鼻の奥から採る検査を受けた方は、浅く感じて不安になるかもしれません。

検体を採る場所は、使うキットによって違います。鼻の手前側で採取することが、決められた方法になっている製品もあります。

鼻の手前側から検体を採取する医療スタッフと患者さん
鼻腔から検体を採取するイメージ

鼻の手前側と、奥から採る検査があります

鼻の中から採る「鼻腔ぬぐい液」と、さらに奥の鼻とのどの境目で採る「鼻咽頭ぬぐい液」は、採取する場所が異なります。検査によって対応する検体や綿棒が決まっています。

大切なのは、どれだけ奥に入ったかではなく、その製品に合う場所と方法で採取することです。痛みが少なかったことも、検査が不十分だった証拠にはなりません。[1][3]

綿棒の形も違います

上は短めの鼻腔用、下は細長い鼻咽頭用の綿棒のイメージ
上:鼻腔用の綿棒 下:鼻咽頭用の綿棒

綿棒の長さや形は製品によって異なります。検査には、そのキットで指定された綿棒を使います。

当院のキットと、採取方法の使い分け

当院では、アボット社の「Panbio COVID-19/Flu A&B パネル(鼻腔ぬぐい液用)」を採用しています。鼻腔から採取する検体で、新型コロナウイルスとインフルエンザA型・B型を調べるキットです。[1]

メーカーの電子添文に沿って採取・検査を行っています。「入口だけを軽く触ればよい」という意味ではなく、決められた方法で鼻の中の検体を採ります。

パンビオには、名前が似た鼻咽頭ぬぐい液用の別製品もあります。鼻の奥から採る検査を行う場合も、実施する検査に対応した方法を使います。鼻腔用と鼻咽頭用を同じものとして扱うわけではありません。[2][3]

キットの納品状況によっては、鼻の奥から検体を採取する検査を行うこともあります。その時に使用するキットと綿棒に合った採取方法で検査します。採取が浅かった場合も深かった場合も、方法の違いだけで不適切な検査とはいえません。

採取する場所と、結果の受け止め方

  1. キットを確認鼻腔用か鼻咽頭用か、対応する検体を確認。
  2. 指定の方法で採取鼻腔用では、鼻の手前側が採取部位になります。
  3. 結果と症状を確認陰性でも、症状が続く・悪化する場合は再相談。
検査の方法に合う採取を行い、結果は症状と合わせて判断します。

陰性でも「採れなかった」とは限りません

陰性は、今回の検体で検査の判定基準を満たすウイルスの成分が検出されなかった、という結果です。陰性だったことから、採取の失敗と決めつけることはできません。

一方で、正しく検査しても、インフルエンザを完全に否定できるわけではありません。発症からの時間やウイルスの量などにより、感染していても陰性になる「偽陰性」があります。症状、経過、周囲の流行状況も合わせて考えます。[4][5]

「前より浅かった」と感じたときは、遠慮なくお尋ねください。今回使ったキットと採取方法、結果の意味をご説明します。

検査のために、つらい症状を我慢して待たないでください

発症して間もない時期には、検査で捉えられるウイルスの量が少ないことがあります。ただし、検査のために一律に12時間待ってから受診する必要はありません。受診や検査のタイミングは、症状や持病を踏まえて判断します。

「今朝から発熱した」「昨夜から寒気があった」など、症状が始まった時刻をお伝えください。陰性でも、発熱が続く、症状が強くなる、食事や水分がとれないときは、もう一度ご相談ください。再検査や別の検査が必要かは、その時の状態から判断します。

息苦しい、意識や反応がおかしいなど、緊急性の高い症状があるときは、Web予約を待たず救急受診・119番への連絡を検討してください。[6]

よくあるご質問

奥から採ったほうが、必ず正確ですか?

採取の深さだけでは決まりません。使用する検査に適した採取部位と方法を守り、結果を症状と合わせて判断することが大切です。

陰性なら、学校や仕事にすぐ行ってよいですか?

陰性だけで、感染していないと判断することはできません。発熱や体調不良がある間の過ごし方は、診察時の説明や学校・職場の規定も確認してください。

鼻の検査が苦手です。

採取前にスタッフへお伝えください。鼻血が出やすい、鼻の治療や手術を受けたことがあるといった事情もお知らせください。無理に動かず、つらいときは声をかけてください。

参考資料

  1. Abbott. Panbio COVID-19/Flu A&B パネル(鼻腔ぬぐい液用) / Nasal panel.
  2. PMDA. Panbio COVID-19/Flu A&B パネル(鼻腔ぬぐい液用)電子添文、2025年2月 第1版 / Japanese instructions for use.
  3. Abbott. Panbio COVID-19/Flu A&B ラピッド パネル(鼻咽頭ぬぐい液用) / Nasopharyngeal panel, a different product.
  4. CDC. Diagnosis for Flu: negative rapid tests and clinical assessment.
  5. CDC. Information for Clinicians on Rapid Diagnostic Testing for Influenza. 2026.
  6. CDC. Rapid Influenza Diagnostic Tests: interpretation and treatment decisions.
大西 剛史

2008年に東京医科歯科大学を卒業し、大学病院・武蔵野赤十字病院・秀和総合病院・春日部中央総合病院などで研鑽を積み、春日部大西毎日腎クリニックを開院いたしました。 専門は腎臓透析領域で、保有資格は、腎臓科専門医・指導医、透析専門医・指導医、綜合内科専門医。腎臓内科、総合診療外来、皮膚科・泌尿科を含むオンライン診療の経験があり、多岐にわたる診療が得意。

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