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発熱や感染症

インフルエンザの検査いつ受けたら良い?

資料確認:2026年10月15日

検査で分かる割合は、発症からの時間によって変わります。複数のキットをまとめて評価した研究をもとに、検査の目安、発症時間の数え方、陰性だったあとの対応を説明します。

時間がたつと、検査で見つかる人が増えていきます

● + 赤:検出できた人
○ − 青:検出できなかった人

  1. 症状が出た直後

    まだ見つかりにくい時期

  2. 12時間以内

    陽性になる人が増えてきます

  3. 24時間以内

    さらに見つかりやすくなります

  4. 48時間以内

    時間がたっても陰性の人がいます

10人で示した説明用の例です。人数は実測の割合ではありません。

陰性でも症状が続くときは、経過をみて再診・必要な再検査を。

症状の経過と検査結果を相談する場面
症状の経過と検査結果を相談する場面

複数のキットをまとめた、時間別の検出率

国内の病院1施設・クリニック3施設で、6種類の迅速抗原検査をまとめて評価した研究があります。413人を解析し、A型インフルエンザが確認された人のうち、抗原検査で検出できた割合を、発症からの時間ごとに調べています。[7]

  • 12時間未満:75.6%(127人中96人)
  • 12〜24時間:89.4%(47人中42人)
  • 24〜48時間:82.6%(23人中19人)

この研究では、発症から半日未満で約7〜8割、半日〜2日では約8〜9割が検出されています。検出率は、時間や症状の強さ、検体の採取状態なども含めた診療の条件によって変わります。[7]

ほかの研究も合わせて読むと、発症して間もない時期には陰性になることがあり、時間をおいて検出される方がいることが分かります。研究ごとの患者さんや発症時間の数え方には違いがあるため、半日〜1日を目安に、結果とその後の経過を合わせて判断します。[1][5][6][7]

検査の目安は、半日〜1日後

症状が軽く、状態が安定している方が検査の予定を立てるなら、発症から半日(12時間)以上、できれば1日(24時間)前後を一つの目安としてお勧めします。発症直後はウイルスの量が少なく、抗原検査で捉えにくい場合があるためです。[2][7]

高齢の方、妊娠中の方、小さなお子さん、持病がある方や、症状が強い方は、この時間を待たずに相談してください。抗ウイルス薬は早い開始が重視されるため、検査の時刻にこだわって必要な治療を遅らせないことが大切です。[3][4]

「発熱から」と「最初の症状から」は違います

発熱は始まった時刻が分かりやすい症状ですが、その前から少し喉が痛い、だるいと感じることもあります。軽い症状から数えた12時間と、発熱から数えた12時間は、同じではありません。

時間の数え方の例
朝8時に少し喉が痛くなり、午後4時に発熱。午後8時に検査した場合、喉の痛みからは12時間ですが、発熱からはまだ4時間です。

この例では、喉の痛みから半日たっていても、発熱してからは間もないため、抗原検査で捉えられる量のウイルスがまだ十分に増えていないことがあります。

受診時には、最初に体調の変化を感じた時刻と、熱が出た時刻を分けて伝えてください。

軽い症状から数えると、陽性になるまで長くかかることも

喉の痛みなどが発熱より先に出た場合、そこから数えると、検査が陽性になるまでの時間も長くなります。「軽い症状から半日たったから、もう十分に検出できるはず」とは限りません。症状が軽く安定している方では、発熱した時刻や、その後の症状の変化も踏まえて検査の時期を考えます。

明石らの国内研究も、発熱だけでなく、喉の痛みや咳、だるさなど最初の症状から時間を数えています。その数え方では、24時間以降の群で、より多くの感染者が抗原検査で陽性になっていました。[1]

この研究から日常の受診に生かしたいのは、軽い症状から数えた時間には、発熱前の時間も含まれるという点です。初回の検査が陰性でも、熱や症状が続く場合は、その後の経過を確認し、必要に応じて再検査します。

補足:最初の症状から時間を数えた研究のグラフとデータ
PCR陽性患者での迅速抗原検査の感度:12時間未満38.9%、12~24時間40.5%、24~48時間65.2%、48時間超69.6%。
時間帯別の検出率。細い線は95%信頼区間(推定の不確かさ)を示します。明石ほか(2021)のTable 2Aから作成。 この研究の時間は、喉の痛みなど最初の症状が出た時点から数えています。

筑波メディカルセンター病院で2017~2019年の流行期に実施された研究です。313人を解析し、129人がPCR陽性でした。鼻咽頭から採取した検体で迅速抗原検査を行いました。

研究の実測データ
発症からの時間検出率(95%信頼区間)
12時間未満38.9%
17.3~64.3%
12~24時間40.5%
25.6~56.7%
24~48時間65.2%
49.8~78.6%
48時間超69.6%
47.1~86.8%

各時間帯のPCR陽性患者で、抗原検査が検出した割合です。異なる患者群を時間帯ごとに比較しています。95%信頼区間は推定の幅を示します。

出典:明石ほか(2021)、原著Table 2A

検査を待たずに相談したい場合もあります

息苦しい、意識や反応がおかしい、水分が取れず尿が少ない、いったん良くなった熱や咳が再び悪化した場合は、再検査の予定を待たず受診してください。[4]

高齢の方、妊娠中の方、小さなお子さん、持病がある方などは、早めの相談が必要です。抗インフルエンザ薬は一般に早期の開始が重視され、医師が症状や重症化リスクから、検査が陰性でも治療を検討することがあります。陽性になるまで待ち続けることが目的ではありません。[3][4]

陰性だったら、その後の経過と再検査が大切です

半日〜1日たって検査しても、陰性になることがあります。熱や症状が続く場合は、もう一度受診してください。前回からの変化を確認し、必要な再検査や治療につなげます。[2]

再診では、必要に応じて時間をおいた再検査や別の検査方法を検討し、ほかの病気も含めて評価します。翌日に陽性になったという変化だけで、最初の採取が悪かったとは判断できません。[2]

陰性だったあとの確認

  1. 初回の診察結果とともに、発症時刻・症状・持病を確認。
  2. 経過を確認熱・呼吸・水分摂取などの変化を記録。
  3. 必要な方は再診再検査・別の検査・治療を医師が判断。
再検査の必要性は、症状の経過を見て判断します。悪化したときは早めに受診してください。

再検査の時期や方法は、症状、初回検査からの時間、持病や治療の必要性を合わせて決めます。

最初の症状、発熱、検査の時刻と、その後の体温・水分摂取・呼吸の変化を伝えてください。大切なのは、確実な結果が出る時刻を待ち続けることではなく、受診時の結果と、その後の経過を診療につなげることです。

参考資料

  1. 明石祐作ほか.発症から検査までの時間がインフルエンザ迅速抗原検査に与える影響:前向き観察研究.感染症学雑誌 2021;95:9–16(Table 2A)
  2. CDC. Rapid Influenza Diagnostic Tests
  3. CDC. Influenza Antiviral Medications: Summary for Clinicians
  4. CDC. Signs and Symptoms of Flu
  5. Yu SH et al. Performance evaluation of the Panbio COVID-19/Flu A&B Panel using mid-turbinate nasal swabs. J Clin Microbiol. 2024. DOI: 10.1128/jcm.00207-24
  6. Seki Y et al. Very high sensitivity of a rapid influenza diagnostic test in adults and elderly individuals within 48 hours of the onset of illness. PLoS One. 2020;15:e0231217
  7. Mikamo H et al. Comparing the cobas Influenza A/B Nucleic acid test for use on the cobas Liat System with rapid antigen tests for clinical management of Japanese patients at the point of care. PLoS One. 2022;17:e0276099(Table 3)
大西 剛史

2008年に東京医科歯科大学を卒業し、大学病院・武蔵野赤十字病院・秀和総合病院・春日部中央総合病院などで研鑽を積み、春日部大西毎日腎クリニックを開院いたしました。 専門は腎臓透析領域で、保有資格は、腎臓科専門医・指導医、透析専門医・指導医、綜合内科専門医。腎臓内科、総合診療外来、皮膚科・泌尿科を含むオンライン診療の経験があり、多岐にわたる診療が得意。

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