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クレアチニン値が高いと言われたら|eGFR・尿検査と経過から考える

本文・参考文献の更新:2026年10月10日

一般の方向け

検査結果を患者と医療者が一緒に確認する説明用イラスト
説明用のイラストです。実際の患者さんや当院の設備を描いたものではありません。

健診で「クレアチニンが高い」と言われると、すぐに透析が必要になるのでは、と心配になるかもしれません。まず確認するのは、前と比べてどれだけ変わったか、尿に異常があるかです。結果用紙の一つの数字だけでは、原因も今後の見通しも決まりません。

クレアチニンは、腎臓の働きを知る手がかり

クレアチニンは主に筋肉で生じ、腎臓から尿へ排泄される物質です。血液中で増えていれば腎機能の低下を考えますが、筋肉量、食事、運動、脱水、薬の影響も受けます。検査施設の基準範囲を少し超えたことと、腎臓病が進んでいることは同じではありません。

同じクレアチニン値でも、年齢や性別によって意味が変わります。そのため、年齢なども使って腎臓が血液をろ過する力を推定したeGFR(推算糸球体ろ過量)を併せて読みます。筋肉が少ない方ではクレアチニンが低く見えることもあり、必要に応じて別の指標であるシスタチンCを検討します。〔1〕

結果を読む順番

  1. 過去と比べる前の健診・採血と、変化した時期を確認。
  2. 尿と体調を合わせる尿蛋白・血尿、血圧、脱水や薬の変更を確認。
  3. 次の検査を決める急な変化は早く評価。安定していても必要な間隔で追跡。
これは確認の考え方を示す図です。検査の種類と時期は診察で決めます。

急に上がったのか、以前から続いているのか

下痢や嘔吐、発熱で食事や水分をとれないときに値が上がることもあれば、尿の通り道の問題や薬の影響が関わることもあります。急な上昇を、慢性腎臓病だから仕方ないと片付けないことが大切です。

一方、慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の異常が3か月を超えて続いていることを確認して判断します。一度の低いeGFRだけで慢性と決めず、過去の検査や尿所見などを確認します。ただし、急な変化が疑われるときに、確認のため3か月待つという意味ではありません。〔2〕

当院では、採血を重ねて変化を見ています

当院では、通院中の複数回の採血結果から、最小二乗法でeGFRの年間変化量を算出し、検査結果に添えてお渡ししています。これは、ばらつきのある値に直線を当てはめて、経過を見やすくする方法です。

例えばeGFRが74から2か月後に70になった場合、2点だけを年単位に引き延ばすと「年間24低下」という大きな数字になります。しかし、その後に72、72と推移するなら、最初の2点だけとは受け取り方が変わります。これは説明用の数値例です。

スロープがマイナスでも、それだけで病気の進行とは決めません。採血間隔、体調、尿所見、薬の変更も合わせて判断します。数字を下げるために食事を減らして筋肉を落とすことは、腎臓を守る治療にはなりません。

水をたくさん飲めば、下がるのでしょうか

脱水が原因なら補う必要がありますが、むくみ、心不全、透析中などでは水分をとり過ぎると負担になります。検査値が高いからと、自己判断で大量に飲むのは避けてください。たんぱく質や塩分、血圧の目標も、腎機能・尿蛋白・栄養状態によって調整します。薬やサプリメントを中止する前に、お薬手帳を持って相談しましょう。

受診のときに持ってきていただきたいもの

  • 今回と過去の検査結果。クレアチニンだけでなく、eGFRと尿検査もあると比較できます。
  • お薬手帳と、市販薬・サプリメントの名前。最近追加したものも教えてください。
  • 家庭血圧の記録と、むくみ、尿量、食事・水分の変化。

尿が急に少なくなった、息苦しい、むくみが急に増えた、水分をとれない状態が続く場合は、次の定期受診を待たずに医療機関へ相談してください。強い息苦しさや意識の異常があるときは救急対応が必要です。

検査結果の相談先

腎臓内科の診療案内では、腎機能と尿検査の異常についてご案内しています。慢性腎臓病の見方はCKDの解説もご覧ください。

参考文献・情報源

  1. 日本腎臓学会:CKD診療ガイドライン2023 第1章(腎機能評価)
  2. KDIGO 2024 CKD Guideline(慢性化の確認・経時的な評価)
大西 剛史

2008年に東京医科歯科大学を卒業し、大学病院・武蔵野赤十字病院・秀和総合病院・春日部中央総合病院などで研鑽を積み、春日部大西毎日腎クリニックを開院いたしました。 専門は腎臓透析領域で、保有資格は、腎臓科専門医・指導医、透析専門医・指導医、綜合内科専門医。腎臓内科、総合診療外来、皮膚科・泌尿科を含むオンライン診療の経験があり、多岐にわたる診療が得意。

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