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「腎臓が悪いから、肉も野菜も控えた方がよいのでしょうか」。食事を見直すときは、まず何の調整が必要なのかを確認します。減塩、たんぱく質、カリウム、リンでは、それぞれ目的が違います。腎機能の数値だけでなく、尿蛋白、血液検査、食事量、体重の変化から考えます。
減塩は、普段の食べ方を見直すところから
食塩は一般に1日6g未満が目安です。血圧やむくみの管理のために取り組みますが、食事量の少ない方や脱水のある方などでは、体調に合わせた調整が必要です。
食卓のしょうゆだけでなく、汁物、麺のスープ、漬物、加工食品にも塩分が含まれます。まずよく食べる食品の「食塩相当量」を見てください。調味料を別添えにする、スープを残す、酢や香辛料で味を補うなど、いつもの食事の中で変えられる部分を探します。
たんぱく質を減らす前に、体重と食事量を確認
たんぱく質は筋肉を保つためにも必要です。KDIGO 2024では、成人CKD G3〜G5で1日体重1kgあたり0.8gを目安とする一方、低栄養や筋肉量の低下がある方は別に考えるよう示しています。透析中の方に、透析前の制限量をそのまま当てはめることはできません。[1]
MDRDなどの食事療法の研究も、制限を強くすれば全員の腎機能が保たれる、という単純な結果ではありません。肉や魚を減らす前に、食べている量と最近の体重を確認し、管理栄養士と具体的な量を決めます。[2]
食事のエネルギーが足りないと、筋肉を分解して補うことになります。たんぱく質の量を調整するときも、必要なエネルギーを確保します。低たんぱく米や油脂などを使う場合は、糖尿病や脂質異常症も考慮して組み合わせます。
カリウムとリンは、血液検査を見て調整する
腎機能や薬の影響で、血清カリウムが上がることがあります。ただし、CKDの方全員が野菜や果物を避ける必要はありません。高い場合は、食品の種類だけでなく一度に食べる量や調理法を確認します。ゆでこぼしなどで減らせる場合もあります。カリウムを含む減塩塩にも注意が必要です。[1]
血清リンが高い場合は、乳製品や肉類などのほか、加工食品の添加物にも目を向けます。リンを減らすことだけを優先して、必要なたんぱく質やエネルギーまで不足させないようにします。検査値を見ながら、摂取源を絞って見直します。
外食・コンビニ食でも確認できること
栄養成分表示があれば、一食全体の食塩相当量を確認します。主菜の塩分が少なくても、汁物や副菜を加えると増えることがあります。たれを全部使わない、汁を残すなど、食べる量を調整できる部分もあります。
カリウムやたんぱく質の制限が必要な方は、一般的な「健康によい食事」がそのまま合うとは限りません。よく買う弁当や外食メニューの写真を栄養相談へ持参すると、実際の選び方を話しやすくなります。
飲み物と特殊食品について
水分量は尿量、むくみ、心不全、血清ナトリウム、気温や発汗などを踏まえて決めます。腎機能の数値だけで一律に制限したり、腎臓のために無理に多く飲んだりする必要はありません。水分の調整が必要な方は、お酒なども含めた量を確認します。
低たんぱく米などの特殊食品は、医療機関の売店や通販などで扱われています。必要な栄養を保ちながら食事を組み立てるための選択肢です。購入前に、今の食事で何を補い、何を調整したいのかを相談しておくと選びやすくなります。
参考文献・一次資料
- KDIGO. 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of CKD. Kidney International. 2024;105(Suppl 4S):S117–S314.
- Klahr S, et al. The Effects of Dietary Protein Restriction and Blood-Pressure Control on the Progression of Chronic Renal Disease. N Engl J Med. 1994;330:877–884. DOI:10.1056/NEJM199403313301301.
- 日本腎臓学会.CKD診療ガイド2024・患者さんとご家族のためのCKD療養ガイド2024(公開資料・正誤表).