尿検査の「蛋白+」は、詳しく調べるきっかけになる所見です。次に知りたいのは、尿に出ている蛋白の量と、それが続いているかどうか。結果票を持参し、内科や腎臓内科で再検査について相談してください。

試験紙の「+」から、蛋白の量へ
健診で使う試験紙は、多くの人の尿を簡便に調べるための検査です。一般住民を対象に、試験紙と尿アルブミン/クレアチニン比を比較した研究では、試験紙が陰性でも少量のアルブミン尿を見逃すことがありました。試験紙の診断精度を調べた研究
陽性が出た後には、蛋白やアルブミンの量を数値で調べる「定量検査」を検討します。国際指針でも、試験紙の陽性を定量で確認することや、必要に応じ早朝尿で再確認することが示されています。採尿方法は、検査を受ける医療機関で確認してください。KDIGO 2024
尿蛋白を指摘された後の確認
- 結果票を持って相談今回と過去の結果、採尿時の体調を伝えます。
- 尿に出ている蛋白の量を確認定量検査や再検査の方法を医療者と相談します。
- ほかの結果と合わせて判断尿潜血・採血・血圧と、異常が続くかを確認します。
尿検査の隣の欄も見てみましょう
結果票には、尿蛋白の近くに尿潜血が並んでいることがあります。この二つは別の項目です。片方だけに印があるのか、両方なのかも診療の情報になります。
異常の付いた欄だけを切り取らず、採血や血圧を含む結果票全体をお持ちください。過去の結果が残っていれば、いつから変わったのかも確かめられます。
目に見える血尿、強いむくみ、急な尿量の減少がある場合は、次の健診を待たずに相談してください。強い息苦しさがあれば、通常の予約を待たず救急受診が必要です。
ACRとPCR――似た検査名でも、測っているものが違う
少し詳しく調べると、ACRやPCRという略語が出てきます。ACRは尿アルブミン/クレアチニン比、PCRは尿蛋白/クレアチニン比です。尿の濃さの影響を補うため、尿中クレアチニンに対する比率で表します。ここでいうPCRは、感染症などを調べる遺伝子検査とは別の意味です。
大規模な個人データのメタ解析では、PCRや試験紙の結果からACRを推定する方法が検討されました。こうした換算には推定の幅があり、実際に測ったACRとは区別して扱います。PCR・試験紙とACRの換算研究
さらに、CKD患者を短期間に繰り返し測定した研究では、アルブミン尿の値に大きな個人内変動がありました。小規模な研究ですが、1回ごとの増減をすべて病状の変化と読む難しさが分かります。尿中アルブミンの生物学的変動の研究
前回と今回で値が違うときは、同じ種類の検査か、採尿条件に違いがなかったかも確認します。発熱や運動、月経などが重なった場合は、採尿時の状況を診察で伝えてください。
受診のご案内
春日部大西毎日腎クリニックでは、尿蛋白など健診で指摘された腎臓の異常について相談できます。今回と過去の結果、お薬手帳をお持ちください。紹介状がない方、他院に通院中の方も受診できます。
参考文献
- Diagnostic accuracy of urine dipsticks for detection of albuminuria in the general community. Am J Kidney Dis. 2011. PubMed
- Levin A, et al. Executive summary of the KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease: known knowns and known unknowns. Kidney Int. 2024;105:684–701. DOI
- Conversion of Urine Protein-Creatinine Ratio or Urine Dipstick Protein to Urine Albumin-Creatinine Ratio for Use in Chronic Kidney Disease Screening and Prognosis: An Individual Participant-Based Meta-analysis. Ann Intern Med. 2020. PubMed
- Biological Variability of Estimated GFR and Albuminuria in CKD. Am J Kidney Dis. 2018. PubMed