本文・参考文献の更新:
透析が必要になったとき、治療の説明と同時に、通院費用や仕事の予定が気になる方もいると思います。医療費の助成は複数ありますが、申請先も対象条件も同じではありません。まず加入している健康保険、住所地の自治体、治療を受ける施設で、必要な手続きを確認します。
最初に確認したい医療費の制度
特定疾病療養受療証(マル長)
対象となる人工透析の保険診療には、特定疾病の自己負担限度額が適用されます。原則月1万円で、70歳未満の一定以上の所得の方は月2万円です。協会けんぽでは、標準報酬月額53万円以上の70歳未満の被保険者と、その被扶養者が2万円の対象となります。加入保険に申請し、窓口での取り扱いを確認してください。[1]
この上限に、食事代や差額ベッド代などの保険外負担がすべて含まれるわけではありません。透析以外の受診や複数の医療機関を利用する場合も、個別に確認が必要です。
自治体の助成と自立支援医療
春日部市には重度心身障害者医療費助成制度があります。障害の等級、所得、年齢などの要件があり、手帳を持っていれば必ず自己負担がゼロになる、という制度ではありません。転居や保険の変更があったときも、市の窓口で手続きを確認します。[2]
自立支援医療(更生医療)は、身体障害者手帳を持つ方が、障害を軽減するための対象医療を受ける際の負担を軽減する制度です。透析やシャント手術について利用できるか、施設の担当者と自治体へ相談してください。
手帳・年金・介護保険は別々に相談する
腎臓機能障害として身体障害者手帳を申請できる場合があります。等級は診断書、検査値、生活上の支障などに基づいて認定され、透析を始めるだけで自動的に交付されるものではありません。医療費助成や税控除、交通機関の割引なども、それぞれ利用条件があります。
障害年金では、障害の状態に加えて初診日の加入年金や保険料の納付状況などを確認します。手帳の等級と年金の等級は別の制度です。初診時の記録が必要になることもあるため、年金事務所などへ早めに相談すると準備を進めやすくなります。[3]
自宅での生活や通院に介助が必要な場合は、介護保険等の利用も検討します。年齢・対象疾病・認定などの条件を確認し、自治体の窓口やケアマネジャーと相談します。
仕事の予定は、移動と透析後の体調まで含めて
透析そのものの時間に、準備や移動、治療後に休む時間も加えて、一週間の予定を考えます。勤務先へ相談する際は、通院曜日だけでなく、仕事内容や負担の大きい作業も整理しておくと話を進めやすくなります。
当院の血液透析は月曜から土曜、午前8:00〜13:30・午後13:30〜19:00の枠でご相談いただけます。施設の対応時間と、一人ひとりの治療時間・送迎時刻は異なり、個別に調整します。
腹膜透析では、手動で交換するCAPDと機械を使うAPDの両方に対応しています。通院回数だけで選ぶのではなく、自宅での作業、物品を置く場所、ご本人やご家族の負担も確認します。治療と生活の両立について、通院・転院相談でお聞かせください。
旅行や転居が決まったとき
旅行先での透析は、受け入れ施設の確保や診療情報の準備が必要です。国内外で費用や手続きも異なります。日程が固まる前から普段の透析施設へ相談し、受け入れが決まってから移動や宿泊を手配すると調整しやすくなります。
転居の場合は、治療先だけでなく送迎、保険、自治体の助成手続きも変わることがあります。必要な連絡先を一つずつ確認していきましょう。