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透析治療|血液透析・腹膜透析・シャント管理の総合ガイド

この記事のポイント

ポイント腎機能が著しく低下した(末期腎不全)場合、体内に溜まった老廃物や水分を取り除くために透析治療が必要になります。透析治療には、通院して行う「血液透析(HD)」と、自宅で行う「腹膜透析(PD)」の2種類があります。それぞれの治療法にはメリット・デメリットがあり、患者さんのライフスタイルや医学的な状態に合わせて最適な方法を選択することが、その後のQOL(生活の質)を大きく左右します。

透析療法とは?

透析療法は、働かなくなった腎臓の代わりに、機械や透析液を使って血液をきれいにする治療法です。腎移植を行わない限り、生涯続ける必要があります。

1. 血液透析(Hemodialysis: HD)

日本で最も普及している透析療法です。腕の血管に針を刺し、血液を体外に取り出してダイアライザー(人工腎臓)に通し、きれいにした血液を体に戻します。

特徴

  • 通院頻度: 原則として週3回、決まった曜日に通院します。
  • 治療時間: 1回あたり4〜5時間かかります。
  • 場所: 医療スタッフが管理する病院やクリニックで行うため、安心感があります。

メリット

  • 医療者が全て管理してくれるため、手間が少ない。
  • 通院日が決まっているため、生活のリズムを作りやすい。
  • 仲間ができやすく、孤独感が少ない。

デメリット

  • 週3回の通院で時間が拘束される。
  • 食事や水分の制限が比較的厳しい。
  • 穿刺(針刺し)の痛みがある。

2. 腹膜透析(Peritoneal Dialysis: PD)

お腹の中にカテーテルという管を入れ、そこから透析液を注入し、自分の腹膜(内臓を覆う膜)を使って血液をきれいにする方法です。

特徴

  • 通院頻度: 月1〜2回程度で済みます。
  • 治療場所: 自宅や職場など、好きな場所で行えます。
  • 種類: 手動で行うCAPDと、寝ている間に機械が行うAPDがあります。

メリット

  • 通院回数が少なく、社会復帰しやすい。
  • 残っている腎機能(尿量)を長く保ちやすい。
  • 食事制限が血液透析より緩やか。

デメリット

  • 自己管理が必要(バッグ交換や出口部のケア)。
  • 腹膜炎のリスクがある。
  • 通常、5〜8年程度で血液透析への移行が必要になることが多い(腹膜機能の低下)。

シャント管理(血液透析の方)

血液透析を行うには、腕の動脈と静脈をつなぎ合わせた「シャント」という太い血管が必要です。シャントは「透析患者の命綱」とも呼ばれ、日頃の管理が非常に重要です。

注意点

  • シャント側の腕で重いものを持たない。
  • 腕時計やきつい袖で圧迫しない。
  • 毎日、血管の音(スリル)を確認する。
  • 怪我や感染に注意する。

療法選択(SDM)の重要性

当院では、患者さんがご自身の価値観やライフスタイルに合わせて治療法を選べるよう、「療法選択外来(SDM: Shared Decision Making)」を行っています。医師、看護師、臨床工学技士などがチームでサポートし、納得のいく選択をお手伝いします。

よくある質問(FAQ)

Q1. どちらの透析が良いですか?

A. どちらが優れているということはありません。仕事や家庭環境、医学的な状態(心臓機能やお腹の手術歴など)を総合的に考慮して決めます。両方を組み合わせる「ハイブリッド透析」という方法もあります。

2. 透析をしながら仕事は続けられますか?
はい、可能です。血液透析の場合は夜間透析を行っている施設を利用したり、腹膜透析を選択することで、仕事を続けている方はたくさんいらっしゃいます。
3. 透析導入はいつ決まりますか?
一般的にeGFRが10〜15以下になり、尿毒症症状が出たり、水分管理が難しくなった時に開始します。ただし、早めに準備(シャント作製など)をしておくことで、緊急透析を避けることができます。

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